ジュテーム!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

いつものとおり幼稚園を休んだ日のことだった。
この日も母と近所の奥様たちの会話に事件が起きた。

奥様たちは誰それがどうのと、私にとってまったくわからない話をしていた。
突然、頭の中に「ジュテーム」という言葉が入ってきた。

私は聞いたことがない言葉に好奇心が湧き、奥様たちに聞いてしまった。
「ねえ、ねえ、ジュテームってなに?」
奥様たちは会話に夢中で誰も耳を貸してくれない。

私は大きい声で「ジュテーム!」と言い放った。

一瞬でシーンとなった。
私は繰り返した。「ジュテームってなに?」

顔を見合わせる奥様たち。
驚く母。
無言が続く。

落ち着いてから母が「なんで知ってるの? 誰か言ってたの?」
「いや……あれ? なんで?」
また気まずくなった。母は慌てて私を連れて退散した。

それから母からしつこくいろいろ質問された。
私はあることに気づいた。
――みんなは見えたり、聞こえたりしていないんだ⋯⋯。

最後に母は言った。
「なんでも口に出して言っちゃダメだよ」
私はなぜ言ったらだめなのか理解できなかった。
何を言ってよくて、何がだめなのかわからなくなった。

小学生になってからだと思うが、母からジュテームのことについて話を聞くことができた。
「あんただったら余計なことばかり言うから、お母さん、恥ずかしかったんだよ」
突然そう切り出された私は、母になんのことか確認すると、
「昔、流行っていたドラマのセリフで、ジュテーム、ジュテームってみんなの前であんたうるさかったんだから」
「ジュテームってどんな意味?」そう聞いたが母は一切答えなかった。

たぶん、母も意味はわからなかったのだろう。
しかし、そのドラマのシーンがおそらくラブシーンか何かで、幼児の私が叫んだものだから、母は赤面したらしい。

今、思えば、ジュテームとは「私は君を愛している」という意味だから、午後9時に放送されていたドラマを私が見ていたら意味を知っているはずだ。意味を尋ねているということは、私はドラマを見ていなかったことになる。実際、幼児だから午後9時にはもう寝ていた。

ということは、母が父と夫婦でしょっちゅう言っていたのではないかと誤解されかねない事件だったのだ。
母は赤面して忘れられない事件となった。

 

↓ジュテーム! と叫びたくなったらクリック1発お願い!
にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ 


ネタ日記、おもしろ日記
超常現象

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly


コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


関連記事


おすすめ記事

札幌市ランキング にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 札幌情報へ