人形の魂

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退院してからも小学校に上がるまでたびたび40度の熱を出し、入退院を繰り返していた。

個室のため付き添いが必要だったが、両親が忙しかったため、祖母が付き添ってくれた。
祖母はかなり高齢でゆっくりとしか動けなかった。耳も遠く、話はまったくかみ合わない。
私にとってはとてもうんざりする人だった。

そんな祖母と入院中は朝から晩までずっといっしょである。
一週間ほどすごしてからだろう。ついに私は限界に達した。
母に甘えられない悲しみと、病気の苦しみ、祖母へのいらだちが爆発した。

私は「トイレに行きたい!」と言って祖母を誘い出し、トイレにいっしょに入った瞬間、自分だけ抜け出して病室に戻り、中から鍵をかけた。
祖母は扉の向こう側で泣きながら叫んでいた。「なんで入れてくれないの? 鍵、開けて」

看護師が気づいて外から鍵を開け、祖母が入ってきたが何も言わず涙ぐんでいた。
そこへ母が来て、祖母を連れて出ていった。それから二度と祖母は病室に現れることはなかった。

私は個室からキミエちゃんがいた病室、いわゆる重体の子どもが寝る病室に戻された。
寂しい……、悲しい……、苦しい……。
子どもながらに祖母への罪悪感にもさいなまれた。

――おばあちゃん、ごめんね……。
何度も心の中で謝った。

後日、母が画用紙とクレヨンを持って病室に現れた。
「おばあちゃんに悪いことしたよね。おばあちゃん泣いてたよ」
そう聞かされ、私はおばあちゃんに絵を描くことにした。そしていっしょに手紙を添えた。

「おばあちゃん、ごめんなさい。
おばあちゃんに……へをおくります」

字を覚えたばかりの私は「え」を「~様へ」の「へ」と勘ちがいして綴った。
家族には「ビニール袋に入れて贈るの?」と笑われた。

その後、祖母からプレゼントが届いた。
寂しがる私のために、実物大の赤ちゃんの人形を贈ってくれたのだ。

写真は当時のものではなく、昨年撮影したものなので、人形は少し変色してしまっている。
母の話では当時の私はいつもこの人形と会話していたらしい。

まもなく転機が訪れた。
母が妊娠していることがわかったのだ。
そして弟が生まれた。

それから私はこの人形と会話することはなくなった。
あれほど大切にしていたのに、あれほど思い入れがあったのに、自分でもわからない変わりようだった。
その後、私は二度と人形遊びをすることはなく、リカちゃん人形でさえもまったく興味をもたなかった。

退院して帰宅すると、弟は親戚に預けられていた。両親ともに忙しかったことと、私の看病があったからだろう。
だから私は赤ちゃんの姿だった弟とは一度も会っていない。
その意味でも、赤ちゃんの弟がいたからこの人形と話さなくなったわけではないのだ。

この人形に何かしらの魂が入っていたからかもしれない。

この話には続きがある。

昨年、弟が人形供養の話を持ちかけてきた。実家に保管されていたこの人形を処分してはどうかという提案だった。
弟の話ではお金がかかるという。
私はお金をかけてまでどうにかしようとは思わなかったが、私にお金をほとんど使わない弟がお金を出してくれるというのだ。

私は正直、驚いた。そんな弟を見るのは初めてだったからだ。

私は気づいた。
弟が生まれる前に、弟の魂がこの人形に入っていたからではないかと。

別の存在が真実を教えてくれた。

 

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