美味しくて有名なラーメン屋の隣

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20代のころのお話。

ある町のラーメン屋が美味しくて有名だと聞いたので、家族といっしょに車で1時間ほどかけて行ってみた。

「うわあああ~」
着いた時点ですごい行列~。
外までかなり並んでる~。
――待つの、いやだな~。
って思いながら、せっかく来たんだし仕方なく並んだ。

しばらくすると、
――あれ? ここって⋯⋯。隣にもラーメン屋があるのねぇ~。
中を覗くとガラガラ~。
――やっぱり、隣はダメかなぁ~。
なんて思ってたんだけど、急におなかが空いてきた。
――どうしよう。もう、こうなれば、隣でもいいか? 美味しくはなくても普通でしょ、きっと⋯⋯。
と思い隣に入ることに。

すると、だれも入っていない店に私たちが入ったから、ほかの人もゾロゾロと入って満員になった。
――おおお~。商売繁盛じゃん!
ひとりで切り盛りしているラーメン屋のおじさんは慌てている。
ラーメンを頼んでしばらくすると、おじさんが厨房からいなくなった。
――えっ? どこ行ったの?
周りを見渡してもどこにもいない。
30分ほど経って裏口をとおり、おじさんが戻ってきた。
――えっ? それ⋯⋯。
スーパーの袋に麺やもやしなどの材料が!
なんだか、不安になってきた⋯⋯。

「おまちどうさま~」
ラーメンが運ばれてきたので、匂いを嗅ぐと、まあまあかな。
スープは⋯⋯、
――げっ! なにこれ~、まずい!
しょっぱいわ、まずいわ、今まで食べたことのないお味!
申し訳ないけど、ひとくちで終了⋯⋯。

周りを見ると、やはり同じで、他の客もひとくちで終了。
もしくは、数くち食べて考えこむ人、すぐに立ち上がり、お金を払って出ていく人。
とにかく、どんぶりの中は、出てきたときと変わらない量で放置状態!
これは、かわいそう⋯⋯って思うけれど、食べられない! 体を壊しそうだ。
私たちもお金を払って退散した。

――あの店⋯⋯、今はどうなっているのかなぁ。あれから、行っていないけれど⋯⋯。今、行けば美味しいのかなぁ? でも、あの味は二度と食べたくないよ~。

 

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